斉藤由貴デビュー35周年記念セルフカヴァーアルバム『水響曲』。本日発売。デビューからの一連のシングル曲でアレンジを担当していた武部聡志を迎え、ピアノとストリングスを中心にアコースティックアレンジされた珠玉の代表シングル曲に、今の斉藤由貴がボ…
セツナ系アーバンバンドミュージック。今作はサウンドのまとまりもよく、それまでに見受けられた「どこか寄り道をしている感」もなく、最初から最後まで通してウェットな川谷絵音の世界観に浸ることが可能になっている。メロディもこれまで同様、何かをつか…
アルバムを聴き、「甘酸っぺぇ」と呟きつつも否定出来ない、そのようなオッサンが思ったYOASOBIの一端について。今さらYOASOBIについて書き綴ったところで、明らかに誰かの二番煎じになるだろうけれども、書いておきたいものだってある。同級生の子持ち友人…
これ、布袋さん会心の一撃ではないですか?アルバム全面的にフィーチャリングアーティストを迎えてのコラボレート作品。その分布袋色が薄まるかと思いきや、これがグイグイと来るのです。表層的には比較的淡泊に聞こえる側面もあるのだけれども、これがなか…
購入して後、聴く機会がなかなか巡ってこなかったティーレマンとウィーン・フィルによるブルックナー。ウィーン・フィルには失礼な言い方だけれども、非常に丁寧なブルックナー。シルクのように編み上げられた音が心地よい。ティーレマンは堅実な指揮者だと…
このアルバムのアレンジを担当した、大村雅朗の才能の凄さに圧倒されてみる土曜日の夕方。全体的にとにかく格好いいよね。特にシモンズドラムの音の使い方とギターの絡め方に、吉川晃司独特の格好よさを引き出すセンスの素晴らしさを感じたのです。何を今さ…
これまでもブラームスのピアノ協奏曲は何度か聴いていたはずなのに、ほとんど印象に残っていなかった。たまたまタワレコオンラインで目に止まったツィメルマンとラトル、そしてベルリン・フィルでの演奏を購入し、聴いてみたところ、あら驚いた。ツィメルマ…
第5期WANDSとしての1st。これを聴きながらオフィシャルサイトのバイオグラフィを眺めていたのだけれども、改めて自分にとってのWANDSは上杉昇ボーカル時代が全てだったのだと再確認。第3期WANDSのボーカリストは、あの当時、全くもって受け入れがたいものが…
リメイクアルバム。「現メンバーによるT-SQUAREのリメイクアルバムに美味い物なし」というのが、これまでの自分の中での定説だったのだけれども、今回は原曲が持っている残して欲しかった部分、即ち楽曲のコアはそのままに、きれいな形で2020年型に整備され…
ヴァンスカのシベリウスには、憑き物が憑いていない。清冽でありながらも決してスタイリッシュには陥らない。シベリウスの語り部として軽薄にもならない。バランスの取れたシベリウスを堪能することが出来る。シベリウスを注意深く観察しながらも、研究者に…
高野寛がポップス職人として最も脂が乗っていたのが、この時期の作品ではないかと思うのです。売れ線を意識したメロディを持つ楽曲から始まり、楽器の使い方に凝った録音を施した楽曲まで、幅広く、高野寛が考える所のポップスのエッセンスを惜しげもなく放…
日本人であることのアイデンティティとしてのポップスに、ブラックミュージックのソウルを振り掛けていた、まだまだ青く若い頃の久保田利伸。圧倒的なのは当時から新人離れしていたソングライティング能力と、歌唱力。これはどうやっても後続が出てこない。…
少年時代から思春期を経て青春時代へと至る、その過程における感情の揺れ、その蓄積と一端を瑞々しく切り取った脆い一枚。青春時代特有の人としての青さはおそらく少年時代のそれから続いているものであり、その残滓であったり、もしくは年齢なりに醸成され…
もうインプリンティングされているEPICデイズの初期から中期にかけての曲よりも、後期の楽曲の、その中年の悲哀のようなものからやって来る歌詞と音楽の重さに、思わずズドンとやられてしまった。リアルタイムでは全く理解が出来なかったその世界観が、正に…
アルゼンチン発、フォルクローレ/フォークのシンガーソングライターによる作品。ミニマルに構成されたパーツと、様々な民族的エッセンスにより、これまで経験したことのないような浮遊感と滲み出るような哲学観が提示されている。アルゼンチンの公用語はスペ…
これは荒井岳史なりのシティポップに対するアンサーなのではないかと思えてくるほど。作りはロックやフォークのそれなのだけれども、基本にあるのはポップスのメロディ。そこにシンガーソングライター的ニュアンスをふんだんにふりかけることによって、独自…
スリリング!この2曲を交互に組み合わせることで、より、これらの楽曲が持つスリリングさがクローズアップされている好演。シュタインバッハーのヴァイオリンがこれほどまでに情熱的だったとは思いも寄らなかった。オケも同様に情熱的に突き進む演奏で、とに…
「そうだ、ブラ4聴こう」自分がクラシックをかじり始めた頃に買った廉価盤のブラームス。シュターツカペレ・ドレスデンという名の楽団も知らなければ、ザンデルリングという名も当然知る由もなく。安かったという理由だけで買ったのですよ、これ。それはとも…
圧巻、圧倒、ど迫力。BABYMETALがこんな次元にまで来ていたとはね…。正直なところ、最新アルバムではこの展開は予想出来なかった。それほどまでに再生回数が少なかったのです。何かが違っている、チグハグであるかのような気がしていたのですが、ライヴを観…
50年の歴史は重いものがあります。自分が物心ついた頃にはもうトップスターだった陽水さん。幼い頃から好んで聴いていた音楽、それを作ってきた方が、まさか自分がこのような年齢になるまで活動を続けているとは、もちろん思いもよらず。どの曲にも思い入れ…
いや、とにかく、圧巻。この音源を先にハイレゾで聴いた際に「ライヴ化けするバンドだな」と思ってはいたけれども、実際に映像として目の当たりにすると、立派なライヴバンドですよ、これは。何か物凄い物を観てしまっているような、得も言われぬ快感と背徳…
人が生きる原動力。その最もプリミティヴなものとは何であろうか。個が個である理由。そこに純度を求めるのであれば、人はどこまで個でいられるのだろうか。人は一人ではないと言われながらも、回帰するところは一人である。たとえ誰かと何かを分かち合うと…
UKのシンガーによるUSカントリーのカヴァーアルバム。UKのアーティストがカントリーを手がけると、そこにフォークのカラーが色濃く表れる傾向があるように思えるのだよね。それによってカントリーミュージックが突然聴きやすいポップスに化けるとでも言いま…
圧倒的な情報量。それが米津玄師の魅力の一つだとは思っていたけれども、新作は想像以上のボリュームだった。それは音作りにも言えることではあるけれども、とにかく今作は歌詞が濃い。頭に入ってくる文字を処理する前に、矢継ぎ早に次の言葉が飛び込んでく…
「楽しい」と言う感情は、音楽を聴く上において当然の事ながら、相当に重要なものであるわけで。ホルモンのこのアルバムは本当に楽しい。自虐もユーモアも、あえて笑いのド真ん中から外すセンスも、どれもこれも、楽しい。何よりも、サビ以外何を歌っている…
プログロックではなくシンフォニックフォークだと勝手に一人で言い張っているルネッサンスの73年作。2019年のリマスタで、パーカッションやコーラスの存在が随分と浮き彫りにされてますね。その他も何か違うのだろうけれども、そもそもこの音源をDAPで聴いた…
真綾さん25周年アニバーサリー企画アルバム。シングルコレクション+ですな。2枚通して聴きました。今回のシングルコレクション+は、随分とバリエーションが豊富なラインナップになっている印象。とにかく飛び出す曲飛び出す曲、面白さと坂本真綾の魅力満載の…
リマスタの功罪について考えておりました。このベスト盤。1987年発売ですが、TM NETWORKがデビューしてからそれほど時間が経過していない段階でのベスト盤なので、比較的時間軸のレンジが狭いのだよね。なので、(恐らく)音のバランスを軽く整えるだけで、…
SMAPフュージョン期の最高傑作。世界が誇るグルーヴ集団をバックに、SMAPメンバーが本気を出してがぶり四つに組んだ作品。とにかくジャニーズのアルバムとしては、突出した完成度の高さ。甘えが一切存在しない真剣勝負の世界。もしこのボーカルがSMAPでなけ…
自分にとって、ヴァイオリンはピアノよりも奏者を選ぶ気がするのです。硬いヴァイオリン、鋭いヴァイオリンはやや苦手。まろやかな中にも切れ味がある、と言うのが自分にとっての理想ではないかと。そこでカルミニョーラさん。現代のヴァイオリニストの中で…