3rd。フルレンスとしては初めての1枚。
tr.1から織田哲郎が本気を出してきたというだけでも、このアルバムから本格的にZARDがスタートすると見ていいのだろう。どこをどう切り取っても全盛期のZARDに通じるメロディのわかりやすさ。見通しの良いメロディとでも言うべきか。これぞ織田哲郎の技。でも1曲しか書いていないのだよね。
一方、川島だりあが5曲も書いているあたりに、まだどの作家で固めるかを決めかねている手探り感はあるけれども、案外と「ZARDっぽさ」に貢献している楽曲もあるので、ブレインの中ではもう方向性はある程度見え始めていたのではないだろうか。
ロックをソフトに用いるアレンジなどのZARD節はすっかり出来上がっていて、バンドメンバーはクレジットされているものの、もうこの時点で坂井泉水のソロプロジェクトとしてのZARDは始まっていたと見ていいだろう。ZARDのアレンジにはやはりこの「匿名性」というものが大切だと思うので。
さて、ここまでがビーイング全盛期前夜の話。あとは名刺代わりのビッグヒットを待つだけだ。快進撃が始まる前の力を限界まで蓄えている状態の作品。