音波の薄皮 -picked-

『音波の薄皮』ピックアップ since1998 (不定期更新)

POP VIRUS / 星野源 (2018)

すごいすごい、とは思っていたが、何がすごいのかその理由がようやく見えてきましたよ。

ポップスとして「楽曲に飽きてしまう」手前で、曲を惜しむことなくスパンと終わらせるのだよね。下手に、そして迂闊に、楽曲を長引かせることをしていない。

2コーラス目にして「今のフレーズなんか引っかかったぞ?」と思わせて、次の瞬間には曲はもう終わりに近づいているという、楽曲に対する好奇心を引きずり出す展開に作り上げているのだな。これは職人芸ですよ。

ポップス職人って、日本にもあの御大がいらっしゃいますが、その御大がこの作品のコーラスアレンジに参画している意味は、実はそういったところに、何かしらの遺伝のような物を感じ取ったからなのかしらん?などと思ったり思わなかったり。

やっぱりすごいアルバムです、これ。

POP VIRUS (CD)(通常盤)(特典なし)