音波の薄皮 -picked-

『音波の薄皮』ピックアップ since1998 (不定期更新)

ZARD の検索結果:

君とのDistance / ZARD (2005)

…栗林誠一郎といった、ZARD黄金期を支えた面々が並び、アレンジも葉山たけしが中心となって組み上げられている1枚。前作での第2期ZARDの形作りがうまくハマったのか、今作も非常に丁寧に作られている印象。全盛期のZARDに続いて、佳曲とほどよいバランスのアレンジが並ぶ仕上がりになっているのでは。何よりも聴いていて不穏な空気がほとんど感じられない。ZARD=爽やかという路線を思い出したかのような曲が並ぶ。どことなく懐かしさが感じられるのは、その曲・音作りが功を奏しているからなのかも…

止まっていた時計が今動き出した / ZARD (2004)

…踏襲していた前作から打って変わって、坂井泉水の女性らしさを表現するかのような優しい曲が並ぶ。ここ数作での冒険路線から、ようやくZARDの新しい方向性を見つけだしたかのような作風。アレンジでは余計なことを一切しない。大野愛果がリーダーシップを取って楽曲に集中させる。そういう意味では後期ZARDの一つの形がようやく出来上がったとも見て取れる。キラーチューンこそ存在しないものの、ZARDらしさが戻ってきたか、というのが素直な感想。ここまでの冒険作品は少々聴いていて辛いものがあった。

時間の翼 / ZARD (2001)

…込みサウンドに転向。ZARDを作り出すイメージは坂井泉水のボーカルだけに任せて、音楽面では時代に合わせた路線に切り替えようとする意向が伺える。これまでのZARDを作り上げてきた葉山たけしのサウンドメイキングが、坂井泉水に新しい環境を与えていることが象徴的。全体的なアレンジもこれまでにない打ち込みやコーラス、ラップ、曲によってはがっちりと作り込んだトラックを採用と、前作に引き続きZARDの定着したイメージを解体させる作品。ビーイングの中でも倉木麻衣とZARDをツートップにしよう…

永遠 / ZARD (1999)

…th。それを書くのはZARD作家陣初登場の徳永暁人。全体的にビーイングお抱え作家の中から若手の楽曲をふんだんに採用し始めているのが今作の大きな特徴。アレンジも徳永暁人が半分を抱えている。この年は倉木麻衣のデビューイヤーと言うこともあって、ビーイング女性ボーカリストのトップ交代を目論んでの動きもあったのかもしれない。それが故にか、倉木麻衣を支えることになる大野愛果の作品もここで初めて取り上げられている。また、この作品がリリースされた年にはZARD初のベストアルバムがリリースされ…

TODAY IS ANOTHER DAY / ZARD (1996)

…陣はもう盤石の体制。ZARD楽曲の安定感はこれら固定された作家が、非常にキャッチーな曲を書くか、佳作レベルのちょっとアクセルを抜いた感覚の楽曲を安定供給しているところから生まれていることは、このアルバムからもよく分かる。一点、これまでのアルバムと異なるのは、この作品がビーイングソングスのベスト盤としての機能を果たしているところ。坂井泉水が詞を提供した楽曲が数多く集められ、ある種、ZARDのアナザーワーク集という色合いも強い。その代わり、シングル曲も含め、原曲のイメージからは離…

forever you / ZARD (1995)

…ー、どうにもこうにもZARDだなぁ」という、ファンサービス的なポイントに飽きが働いたのだけれども、後半からロックテイストを混ぜ込んでいくあたり、今作はA面B面的構成で作られているのだろうと判断。シングル曲も随分とバックが賑やかにリアレンジされ、シングルに対してのアルバムとしての価値を高める結果に。DEENに歌詞を提供した「瞳そらさないで」をラストに持ってくるあたりも、十分なファンサービスになっている。なにせ大ヒット曲ですから。作家陣に大きな変化はなく、春畑道哉がようやく印象に…

OH MY LOVE / ZARD (1994)

5th。ZARDの作品群の中でも、もっとも作家陣、編曲陣が固められて、基本的には前作である程度認知された爽やか路線の踏襲。前作は「これがZARDですよ、もっと売れますからね、よろしくね」という雰囲気だったものが、今作では楽曲の幅が広がって、tr.6に見られるようなちょっとウェットな路線も見せ始めた。全体的にやや陰りのある楽曲が増えたと言う印象。これが織田哲郎と栗林誠一郎だけでコンビを組んで編み上げた結果なのだろうか。「これもZARDですよ。もっとバラエティに富んだ路線もお届け…

揺れる想い / ZARD (1993)

…坂井泉水の声が乗るとZARDになってしまうから見事な声質としかいいようがない。声に癖がないのがこの人の特徴だと勝手に思いこんでいたのだが、いやいや、この声だからこそZARDという世界観が生まれてくるのだな。きっとここでの楽曲群が世間一般に認知されているZARDのフォーマットなのだろうな。全体的に聴了感が「爽やか」。これが「ZARDには害がない」と個人的に想っていた部分なので。自分もまた世間同様に「ZARD=爽やか」と思いこんでいたのだな。4thにて頂点といったところか。この後…

HOLD ME / ZARD (1992)

…アルバムから本格的にZARDがスタートすると見ていいのだろう。どこをどう切り取っても全盛期のZARDに通じるメロディのわかりやすさ。見通しの良いメロディとでも言うべきか。これぞ織田哲郎の技。でも1曲しか書いていないのだよね。一方、川島だりあが5曲も書いているあたりに、まだどの作家で固めるかを決めかねている手探り感はあるけれども、案外と「ZARDっぽさ」に貢献している楽曲もあるので、ブレインの中ではもう方向性はある程度見え始めていたのではないだろうか。ロックをソフトに用いるアレ…

もう探さない / ZARD (1991)

ZARD2ndミニアルバム。ボーカルが突然安定し、坂井泉水の声だと明らかに認識出来る歌唱になっている。楽曲も作家陣がバラバラということもあってか、前作のロック路線は若干後退して、ミディアム調の「ZARDっぽい曲」が並び始める。ただ決定的に野暮ったい。そこら辺に転がっていそうな音楽というか、売れない90年代の音楽という匂いが漂っている。作家陣にはもう既に織田哲郎も栗林誠一郎も投入しているのだが、何かが熟していない印象。アレンジもその後のZARDを支える明石昌夫が全面的に担当して…

Good-bye My Loneliness / ZARD (1991)

ZARDデビューアルバム。tr.1こそその後のZARDに通じる「無害な安心感」が、初めてのレコーディングからくると思われる緊張感とともに味わえるのだけれども、問題はその後の路線。もうこれがひたすらロック。ZARDがブレイクした後も、アップテンポなロック調楽曲は披露されていたけれども、それにしても意外すぎるほどに意外。ここまで攻める展開だったとは。このアルバムだけ聴けば「揺れる想い」などのミディアム路線は逆なる意外性があったのかもしれない。基本的には1stミニアルバムということ…