音波の薄皮 -picked-

『音波の薄皮』ピックアップ since1998 (不定期更新)

2019-12-31から1日間の記事一覧

SINGularity / 西川貴教 (2019)

本作は西川貴教流ハードボイルドを突き詰めた作品。三枚目を演じることがT.M.Revolutionに課せられてしまったスティグマであるならば、ソロとしての作品はそれすらも自分の武器として、切った刀でどこまでハードボイルドを演じ返すことができるかと言うチャ…

今日だけの音楽 / 坂本真綾 (2019)

菅野よう子の懐から飛び出してから、果敢に楽曲に挑み続けていた坂本真綾が、ここに来て楽曲との共存を図ることに成功したと思われる1枚。個性の強い楽曲たちに対して、坂本真綾が柔軟に溶け込んでいるのだよね。楽曲毎の演じ分け方、切り替えがスムーズで、…

労働なんかしないで 光合成だけで生きたい / スガシカオ (2019)

スガシカオ独自の「情けなさ」を描くことに安定感が戻ってきた1枚。歳を重ねるごとにその情けなさの描画は研ぎ澄まされ、その鋭さはトラックのシャープさにも反映されている。スガシカオだからこそ作り上げることのできる、その後ろめたさあふれる心技体の完…

Covers / 清春 (2019)

自分がカバーアルバムを高く評価する際の基準は、次の2点。換骨奪胎を施しながらも原曲のおいしいところを引き出しているカバーか、原曲に忠実でありながらもそのシンガーならではの歌への愛情が感じられるカバー。清春のこれは圧倒的前者。トラックの音数を…

GUNDAM SONG COVERS / 森口博子 (2019)

ガンダムシリーズに使われた楽曲から投票で選ばれた上位10曲をカバーする企画。聴く前は「企画物に当たりなし」などと思っていたのだけれども、それは見事に覆されましたよ。これが実に聴かせる。森口博子の歌唱力は元々認めてはいたけれども、そこに透明感…

CHEMISTRY / CHEMISTRY (2019)

Chemistry原点回帰の1枚。「今さらChemistry?」と思う向きもあるかもしれない。そう言った方々に是非とも聴いて頂きたい1枚。「あ、Chemistryだ」と実感出来るはず。声を聴けば「ああ、この二人ならではだな」とすぐに納得出来るボーカリゼーションと、この…