濃いなぁ…。
濃厚な柴田淳が味わえる一作。それは昏さという表現に置き換えることも出来るかもしれない。
女性的な昏さを味わえるシンガーには、宇多田ヒカルや鬼束ちひろが挙げられるが、柴田淳も相当に昏いものがある。それでも柴田淳の場合は、自分の内部まで入り込むような昏さではなく、目の前で演じられているかのような昏さなのだよね。
妙に回り道をするような作品よりは、これくらいどっぷりと演じてもらった方が、個人的にもすっきりとその世界を味わうことが出来るわけでして。濃さイコール面白さに繋がる良作ではないかと。少なくとも印象の薄かった前作よりは、エッジが効いていることと、柴田淳の世界をしっかりと作っていることとで、十分に満足出来るのであります。